東京大学・シャープ・NTTドコモ等10団体、AI活用「スマートかき養殖」の実証実験を開始

国立大学法人東京大学大学院情報学環の中尾研究室と、シャープ株式会社は、株式会社NTTドコモや中国電力株式会社など8企業・団体と連携して、AI/IoTを活用した「スマートかき養殖」の実証実験を本年12月下旬から広島県江田島市で開始する。

同実証実験は、広島県のAI/IoT実証プラットフォーム事業「ひろしまサンドボックス」に採択されたプロジェクト。かき養殖での生産量の増加と生産効率の向上、漁業における通信インフラの利活用促進を目的にしており、養殖に関するデータを収集し、AI・機械学習で解析する。かき養殖に最適化したデータを漁業者が活用しやすい情報として配信するための通信インフラおよびサービスプラットフォームの在り方を検証する。

実証実験は、広島県江田島市のかき養殖場に専用の次世代通信インフラ(プライベートLTE※2 / LPWA)を構築。漁場のブイや養殖用の筏にセンサーを設置し、海水の温度や塩分濃度などを遠隔監視し、ドローンのカメラで上空からかきの幼生が多く生息する場所や潮流などを観測する。これらのデータをクラウド上に収集・蓄積し、AIが分析と予測を行い、採苗(※3)に適した場所や時期を養殖業者のスマートフォンに通知する。

また、水中監視センサーで食害の原因となる魚が筏に近づいた際も検知して通知する。離れた場所からかきの生育環境をリアルタイムに把握し、早期に対応することが可能になるという。

参画企業・団体と役割は以下の通り。

  • 国立大学法人東京大学
    ・無線ネットワーク(プライベートLTE/LPWA)構築
    ・IoT独自無線デバイスの提供
    ・データのAI分析
  • シャープ株式会社
    ・プライベートLTE対応スマートフォンの提供
    ・かき養殖向け端末アプリケーションの開発
  • 江田島市
    ・テストフィールドの提供
  • 内能美漁業協同組合
    ・実験実務
  • ルーチェサーチ株式会社
    ・ドローンの開発・飛行
    ・データ解析技術の提供
  • 中国電力株式会社
    ・かき幼生検出技術の開発
  • 株式会社セシルリサーチ
    ・かき幼生検出技術の開発
  • 平田水産
    ・実験実務
  • 株式会社NTTドコモ
    ・ICTブイの提供
    ・公衆回線インフラの提供
  • 広島県立総合技術研究所(協力支援パートナー)
    ・かき養殖,水産技術に関する助言

※1 広島県が、AI、IoT、ビックデータなどのデジタル技術の利活用により新たな付加価値の創出や生産効率化に取り組む県内の企業を公募し、2018年度から3年間で最大10億円規模の投資を行う事業。
※2 企業や団体が構築可能な専用の携帯電話ネットワークで、sXGP(国際周波数Band39)方式を使用。
※3 浮遊するかきの幼生をホタテ貝殻に付着させる工程。

【関連リンク】
中国電力(EnerGia)
ルーチェサーチ(Luce Search)

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